まるで悪夢を見ているようだ。
大口を開けて笑っていればいいのか、それとも眉をひそめて読んだらいいのか。
「キャッチ=22」(ジョーゼフ・ヘラー著)。
1行で場面が変わってしまう独特のリズムに、最初は戸惑う。けれども、頭をかきむしられるような展開に夢中になる。
ぼくが買ったときの本の帯には、桜庭一樹氏のコメントが書かれている。
「海外文学は、浴びるように読むのがいい。文庫で買って、ご飯をお代わりするようにどんどん読むのだ。」
まさにそんな勢いで読んでしまった。
カバーは時代を感じさせるものの、イラストの異質な感じは、じっと見つめていると、不思議な物語の世界に馴染ませるための準備のようにも思えてくる。
カバーイラストは真鍋博氏。