> サンカの民を追って

 十代の青年が、無計画の放浪の中で出会った人たちの話。

 小栗風葉、明治41年の小説「世間師」。

 青年がたどり着いた煤けた旅館は、六畳二間に10人近くが雑魚寝する悪臭漂う空間。垢で汚れ、じめじめしたぼろ布団にはシラミがたかる。しかしそんな宿代さえ払うことができない青年は、日銭を稼ぎながら旅をする男の世話になるのだったが。


 「サンカの民を追って」(河出文庫)に収められた一編。サンカ小説を集めた一冊だが、表紙は小説というよりノンフィクションの雰囲気。

 隣にいたのに、実態を知らない集団となれば興味がわく。何冊か本を読めば、実像らしきものは、なんとなく見えてくるものの、それでもサンカとは一体何だったのか? という疑問は漂い続ける。

 そんな隙間にサンカ小説は入ってくる。


 「世間師」をサンカ小説集に入れることが、ふさわしいのかわからない。でも、ここで読めてよかったと思うくらい余韻がある。


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by robinsonfactory | 2015-07-12 11:43 | | Comments(0)

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