人気ブログランキング | 話題のタグを見る
> 儀式

『儀式』(セース・ノーテボーム)

 表紙に石庭の写真。すっと背筋が伸びる気がするのは、日本人だからなのか。表紙の右上から背にかけて、縦にストライプが入っている。背の方は黒と白なので、鯨幕を思わせ、『儀式』というタイトルは「葬式」なのかと一瞬思う。

 小説の舞台はオランダ。3部構成で、最後の部で突然、楽焼がでてきて日本との関わりが生まれる。楽焼にこだわる男は、オランダとインドネシアのハーフ。インドネシアは東洋に含まれるとはいえ、茶の湯に興味を示すには、特別な理由がありそうな気がする。

 遠いヨーロッパから見た、イメージだけの日本のようだ。小説全体から、理解されるのを拒み、寄せ付けない印象を受けるのは、ぼくが日本人だからなのか。

 表紙に石庭を使う違和感は、そんな日本人の気持ちを表しているのかもしれない。

 装丁は奥定泰之氏。


by robinsonfactory | 2017-08-16 14:42 |

本を読む
by robinsonfactory
> 最新のトラックバック
> ライフログ
> 検索
> タグ
> ブログパーツ
> 最新の記事
東亰異聞
at 2024-02-28 16:15
くらべて、けみして
at 2024-02-01 17:03
本の幽霊
at 2024-01-31 15:05
マーリ・アルメイダの七つの月
at 2024-01-27 11:54
ゆく都市 くる都市
at 2024-01-25 16:16
> 外部リンク
> ファン
> 記事ランキング
> ブログジャンル
> 画像一覧