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手創り市

 千駄木のお寺で行われた手創り市に出店した。

 指定された場所は、境内の芝生の上、暖かな日差しを背に浴びる理想的な位置。キャンプ用の椅子に座って、のんびり珈琲を飲みながら本を読んで、ときどき訪れるお客さんと話をする。そんなイメージを持っていた。

 始まって間もなく、お父さんと一緒に来た小学生の女の子が、ぼくのテーブルの前から離れなくなった。トレイに並べられた栞が気になるようだ。

 無料で用意した、お爺さんが本を読んでいるイラストの入った栞。絵は2種類、それを10の異なる紙に、8つの違う色調でプリントしたもの。

 「あげるよ。好きなもの持って行っていいよ」

 なかなか決まらない。

 「何枚でもいいよ」

 そう声をかけると、やっと2枚、3枚と選び出した。

 よかったね、好きなものが見つかって。でも何がその子の気持ちに触れたのか、ぼくにはわからないのが残念だ。


 ところで。思っていた以上に訪れる人が多く、話していて楽しく、のんびりピクニックとはいかなかった。それはそれで素敵な秋の一日。


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by robinsonfactory | 2016-10-27 22:39 | Comments(0)
小さな箱

 松本のクラフトフェアで、紙で作った小さな箱を並べている人がいた。

 紙を扱う作家は、ここでは少数だ。

 名刺が入る四角い箱、家の形をした箱。小さな球体の箱は、北半球と南半球が磁石でつながっていて、指先でそっと開けることができる。

 箱の表面を覆っている紙は、よく見ると木版画の絵柄が刷られている。

 作家と話をしていて、ふと頭をよぎるものがあった。

 もしかして京都の人?


 5年前、京都の街に木版画があふれるイベントがあった。いくつもギャラリーを見て回った中で出会った、印象的な木版画。その作者だった。

 そのとき、作者と顔を合わせることはなく、以降、思い出すこともなかったのだが。

 

 松本で会った後、メールのやりとりをしている中で、共通の知人がいることを知った。

 イッツ・ア・スモールワールド。人とのつながなりは目に見えないけれど、実は四方をとりまいている。


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by robinsonfactory | 2016-06-19 11:41 | Comments(0)
たぬきの東京見物

 丸山太郎氏が娘のために作った絵本が、松本民芸館のガラスケースの中に展示してある。

 狸が東京の名所を観光する「たぬきの東京見物」。


 「話に聞いた東京は

  どんな所か見てこよと

  ひとりで汽車にのりました」


 灯火管制の銀座はネオンが消えて暗く、宿では風呂に入れない。

 持ってきた干柿や栗を食べて、冷たい布団にもぐりこむ。


 「いらないものは

  買はないで

  早くおうちへ

  かへりませう

  お山のこたつが

  まってゐる」


 この旅行、楽しかったのかどうか、少し物悲しい。

 やっぱり娘のいる家がいちばんだよ。

 そんな愛情も感じる。


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by robinsonfactory | 2016-06-02 17:47 | Comments(0)
あこがれの「団地」
 昭和43年発行の「公団住宅の住いのしおり」。
 風呂釜の掃除のしかたが、イラスト付きでのっている。小判型、木枠の浴槽にガスバーナーが設置されたもの。
 専用のブラシらしきもので、バーナーの汚れを落とすらしい。
 結構大変そう。

 簡潔な説明で、実物をよく知らない風呂なのに、様子がわかる。
 なんでもないレイアウトなのに、美しささえ感じる。
 この冊子よくできている。

 ガラス越し、食い入るように読んでしまう。
 《あこがれの「団地」》の展示物。
 平日の昼間、記念館にはほかに誰もいなかった。
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by robinsonfactory | 2014-11-16 10:31 | Comments(0)
あがたの森
 あがたの森公園で開催されたクラフトフェア。
 講堂の2階、ちいさな部屋に、ちいさい物たちが集められていた。
 手のひらに収まるくらいの木箱に入った円柱。木の持ち手が両端についていて、真ん中の太い部分は石? 模様が彫ってある。
 箱のそばに、くるくる巻かれた紙が置いてある。
 その紙を伸ばしてみると、町の風景が表れた。
 円柱にインクをつけ、紙の上で転がしていくと、果てしなく町並みが続くということか。
 作家は。
 カキノジン!
 可愛らしく楽しいイラストの、はんこを作っている人だ。
 係の人が、どこかで本人が出店しているはずだと教えてくれた。
 どこだ、カキノジンさん。

 公園はあまりに広く、出店者の配置図はなく、どこも面白く、信じられないくらい人が多い。
 松本の日差しはとても強くヘトヘト。
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by robinsonfactory | 2014-05-29 11:43 | Comments(0)
LIFE!
 サーバー「虹をつかむ男」を原作とした映画を、ベン・スティラーが制作していることは知っていたが、それが「LIFE!」だったとは予告を見ても気づかなかった。
 原作と同じなのは、空想好きな主人公の名前くらいなもの。
 「虹をつかむ男」は、半径3メートル程度の世界から抜け出すことはないが、空想では地球を飛び出すこともある。
 ベン・スティラーの生活も似たようものなのだが、徐々に現実が空想を超えていく。

 空想しているとぼんやりするので、よくないこととして描かれているようにうつるが、空想することで、大きな一歩を踏み出すことができたでしょうと、空想を奨励しているようでもある。
 映画そのものが、空想の塊なのだし。
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by robinsonfactory | 2014-04-16 17:59 | Comments(0)
ZINE展
 銀座のギャラリーで開催されているZINE展で、ちょっと変わったものを買った。
 光用さんの「逆平成」。
 A4サイズ60ページの冊子。
 なかには、落書きをしたノートのページが、そのままスキャンされて入っている。
 簡略化された人物の絵と、吹き出しの会話。
 これが楽しく、面白く、ときに哲学的。
 力の抜け具合がたまらなくいい。
 授業中に、こっそり何か書いている友人のノートを覗きこんだら意外、とても面白い、ハマった、みたいな。
 「落書き」と、失礼なことを書いたが、本当の落書きではない。落書き風なだけで、イラストも手書きの文字も綺麗で読みやすい。
 でも、もとは本当に落書きだったのではないかと考えると、それもまた楽しい。
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by robinsonfactory | 2014-01-18 13:00 | Comments(0)
葉山芸術祭
 大雑把な地図を頭に入れただけで、くねくねと先の見えない家々の間を歩いていたら迷ってしまった。
 海の気配が濃厚な土地なのに、行き当たった道の背後には、急峻な山の深い緑が迫ってきている。山の頂は、流れる靄でかすみ、神秘的な雰囲気が漂っているが、立ち並ぶ家はモダンで、その対比がこの地域らしい感じがする。
 来た道を戻ると、人が通れるだけの細い路地に気づき、その先に探していた古い民家があった。
 手漉き和紙を使った小物を扱う店、作家でもある店主の自宅を兼ねている。
 広い畳敷きの部屋には、封筒、ノートなどの文房具、鞄、ランプシェードなどが飾られている。
 磨かれた薄いガラス窓から、手入れのされた庭木が見える。雨音が微かに聞こえるだけで、とても静か。
 製本が面白いノートを2冊購入。たっぷりした厚みがあって本のように見える。和紙をめくるときの、がさり、という音が心地いい。
 家に戻って包みを開けると、買っていないノートが1冊混ざっていた。この分の料金は払っていない。店主が間違っていっしょに袋に入れてしまったらしい。
 電話をすると、何かの縁です、お金はいりません、どうぞそのまま使ってくださいと言う。
 凧糸で表紙をぐるぐる巻いたノート。
 何を書こう。
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by robinsonfactory | 2013-05-14 22:28 | Comments(0)
「ぼくの伯父さんの休暇」(DVD)
 「ぼくの伯父さんの休暇」のDVDを見た。
 ネットオークションでDVDを入手してから、1年が過ぎている。手元にあると、いつでも見られると思って、いつまでも見ないのだ。
 古い映画だが、公開当時映画館で見た人たちと、たぶん同じところで笑える。
 ユロさんの独特な歩き方が、頭から離れない。
 ちょっと真似をしてみる。
 ところで、「ぼくの伯父さん」の「ぼく」とは誰のことだろう。甥っ子なんか出てこなかった。
 原題は……。
 「ユロさんの休暇」だ。
 でも、もしかしたら、ノベライズの方に甥っ子が本当に出てくるかもしれない。
 本を読まないと。
 でも、手元にあると安心して、なかなか読み始めないもので。
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by robinsonfactory | 2012-11-14 23:08 | Comments(0)
阪東妻三郎の坂本龍馬
 商店街の道路を通行止にし、椅子が並べられている。スクリーンが吊るされ、日が暮れて、古い映画の上映が始まった。
 チャップリンか、キートンか。短い無声映画を思い浮かべた。
 ところが、張りのある声でナレーション(活弁)が入る日本の映画。
 阪東妻三郎だ。
 初めて見る。
 大政奉還を成そうと奔走する坂本龍馬。その最期。
 風が吹き、スクリーンが揺れる。
 寒い。
 でも、目が離せない。
 この活弁はなんだろう。
 笑わせようとしているわけではないのに、そのぎりぎりなところで鬼気迫る龍馬のセリフを叫ぶ。
 「中岡!」
 こんな映画があったのか。
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by robinsonfactory | 2012-10-29 22:43 | Comments(0)
   

フリーランスのデザイナー 仕事の合間
by robinsonfactory
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