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写真の秘密
 みすず書房の本は、シンプルな装丁のものが多く、ロジェ・グルニエ「写真の秘密」も同じで、本を読むことに集中させてくれる。
 表紙にはモノクロの写真。三脚にのったクラシカルなカメラをのぞき込む、くわえタバコの男の横顔。フィルムカメラの写真を夢中で撮っていたときの気持ちがよみがえってくる。
 でも、エッセイの中に出てくるカメラはどれもとても古く、名前さえ知らない。博物館の中に閉じ込められたような気分。
 本を閉じ、表紙を眺めると、タイトルの山吹色が、ちょっとだけ現代に戻してくれる。
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by robinsonfactory | 2012-02-28 23:27 | Comments(0)
短くて恐ろしいフィルの時代
 『国が小さい、というのはよくある話だが、〈内ホーナー国〉の小ささときたら、国民が一度に一人しか入れなくて』
 ジョージ・ソーンダーズ「短くて恐ろしいフィルの時代」(岸本佐知子訳)の冒頭を読むと、なぜか知っているような気がした。
 前に読んだ、同じ著者の「パストラリア」に入っていたのかも、そう思って調べてみたけれど見当たらない。
 でも読み進めると、まったく知らない世界。まるで子どもが落書きをしているような、突拍子もない思いつきが散りばめられた話。
 小口に塗られたオレンジ色が、開いた本の両脇に絶えず見え、話が少しずつ悪意に満ちてくると、その鮮やかな色がだんだん暗い色に感じられてくる。
 表紙を見ると、最初手にしたときに感じた楽しげなオレンジ色が明らかに変化している。中央に描かれた王様も、最初は愉快な人だと思っていたのに、本当は腹黒い人だったのですね、だまされた気分になる。
 装丁は角川書店装丁室の鈴木久美氏。
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by robinsonfactory | 2012-02-21 22:51 | | Comments(0)
   

フリーランスのデザイナー 仕事の合間
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