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北の無人駅から
 夏の北海道を自転車で旅した時、駅に着くとホッとしたものだった。
 水場があり、屋根があり、夕方になると同じような旅行者が集まってきて、待合室や駅前で寝袋を広げた。
 いま考えると邪魔だったと思うが、地元の人たちは、二十歳前後の若者たちに親切だった。
 鉄道旅行より、駅にはお世話になったかもしれない。
 そんな懐かしさが、「北の無人駅から」(渡辺一史著)を読むとよみがえってくる。
 しかしそれだけではない。表面をなぞるだけの旅行では見えない部分、小さな町村での生活の大変さが、この本には詰まっている。
 旅愁を誘う表紙の写真(並木博夫撮影)と、佐々木正男氏の抑えた装丁がいい。
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by robinsonfactory | 2012-03-22 23:50 | | Comments(0)
アメリカのパイを買って帰ろう
 駒沢敏器氏が亡くなったことを知り、未読だった「アメリカのパイを買って帰ろう」を手に取った。
 発売直後に買っていながら、いままでずっと読まずにいたのは、沖縄のルポルタージュだったことも理由のひとつだ。蹂躙されてきた歴史は、遠く離れて暮らしていると、感覚の上で本当には理解できないだろうという思いがあり、躊躇するのだ。
 しかし、この本の切り口は、そんな重い気持ちを軽くかわす。なにより、沖縄の人たちがたくましい。そしてここには、確かに駒沢敏器がいる。
 表紙には、フェンスの金網越しに見える米軍基地がモノクロ写真で入っている。タイトルの深い朱と相まって、硬派なノンフィクションを想像させる。
 写真は東恩納武氏。装丁は守先正氏。
 もう駒沢氏の文章が読めないかと思うと、寂しい。
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by robinsonfactory | 2012-03-16 23:08 | | Comments(0)
ものすごくうるさくて
 映画が公開される前に読んでおこうと思っていた「ものすごくうるさくてありえないほど近い」は、とうとう1行も読まないまま映画を先に見ることになった。
 悲しみを癒せる、魔法のようなたったひと言なんてあるわけがない。つくづく、しみじみそう感じる。傷ついた心は、傷ついた人の心と、繰り返し触れ合いながら、少しずつ回復していく。ただ時間が流れるだけでは、取り戻せないのかもれしない。
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by robinsonfactory | 2012-03-13 23:34 | Comments(0)
メランコリア
 「メランコリア」は、人に薦められないが、何度も自分の中で思い返す映画かもしれない。
 冒頭の何分間は、絵画や写真を、オーケストラの演奏を聴きながら見ているようだ。画面の四隅まで、じっくり見つめることができるほどゆっくりした動きの映像で、見えていない部分を頭の中で組み立て、ストーリーを想像する。それだけで、この映画は充分。残りの2時間がなくても、ぼくは構わない。
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by robinsonfactory | 2012-03-03 10:17 | Comments(0)
   

フリーランスのデザイナー 仕事の合間
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