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骨董屋の非賣品

 神社の境内で行われていた骨董市で宝石箱型ラジオを見つけ、どういうわけか無性に欲しくなってしまった。

 安くはなかったし、古いラジオに興味もなかった。でも買ってしまった。

 10年も前のことだが、いまだにその時の心理状態が理解できない。

 

 そんな後悔ではなく、物を手に入れた嬉しさがいっぱいなのが「骨董屋の非賣品」(勝見充男著)。

 万年筆やグリコのおまけならまだわかるが、口が欠けた徳利、陶片などはなぜ? と思わずにいられない。

 いちばん驚いたのは円空の仏像を持っていること。そんな機会がくることもすごいが、仏像に酒の相手になってもらうなんて。

 古いラジオひとつに悩んでいるようでは、骨董という道楽を歩くことはできないのだろうな。


 骨董屋の非賣品。いいタイトル。表紙の写真もいい。本文の作りも丁寧で、きれいにハタキをかけられ、上手にディスプレイされた骨董屋という趣。

 写真は大屋孝雄氏、ブックデザインは木下弥氏。


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by robinsonfactory | 2015-06-26 17:16 | | Comments(0)
貸本小説

 購入して14年が過ぎ、本の周囲が茶色に熟成してきた。

 古本ではなく、古い雰囲気の本が、本当に古くなり、味わいを増してきた。

 「貸本小説」(末永昭二著)。

 昭和30年代の一時期流行った、貸本として作られた小説のガイドは、かつてこんな表紙の本もあっただろうと思わせる作り。昔風のイラストが入っていて、凝っているなあと思っていたら、本当に当時描いていた堂昌一氏の作。奥付には検印の枠まであって、手を抜いていない。

 貸すための本って、いったいどんな内容なんだ? そんな疑問が少しだけ解ける。ちょっと読んでみたいという気持ちと、やっぱりいいわ、という気持ちが入り交じった読後感。


 装丁は守先正氏、斉藤友紀氏。 


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by robinsonfactory | 2015-06-20 11:21 | | Comments(0)
ファイト・クラブ

 「本? 本があったのか?」

 そうさ、本があったんだ。

 映画になる前に。

 (「ファイト・クラブ」著者あとがき)


 映画の原作本は、しばしばその存在を知られず、知られたとしても、映画のイメージにまとわりつかれてしまう。

 その要因のひとつに、映画のポスターを流用したような装丁をされてしまうこともあるだろう。

 チャック・パラニュークの「ファイト・クラブ」(ハヤカワ文庫)は新版になり、ようやくブラット・ピットの顔写真から解放された。


 不快、絶望、嫌悪、混沌、禍々しさ。

 スタイリッシュというより、気持ちの奥深いところを突かれる不安定さを感じる表紙。

 読みたくなる、知りたくなる。


 カバーデザインはコードデザインスタジオ。



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by robinsonfactory | 2015-06-11 22:24 | | Comments(0)
   

フリーランスのデザイナー 仕事の合間
by robinsonfactory
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