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戦地の図書館

『戦地の図書館』(モリー・グプティル・マニング著)

 表紙には、ひとりの兵士が塹壕の中で本を読んでいる写真。リラックスした表情は、まるでカウチに横になっているかのようだ。でもこれは、第二次世界大戦時のアメリカ軍兵士の姿。

 戦場で本を読むのか? 命が危険にさらされている状況下で、本を開く余裕なんてあるのか? 荷物になる本を持っていくのか? 

 文中には、戦闘中、上空を砲弾が飛び交い、じめじめした塹壕から出るに出られず、懐中電灯の灯りで本を読んでいたという兵士の話も出てくる。

 本があることで、なぐさめになり、士気を高揚させることにもなったという。

 殺し合わなくてはならない状況というのは、想像するだけでもつらい。本を読んでいる束の間、悪魔でも虫けらでもない、普通の人間として過ごせたのだろうか。

 装丁は中村聡氏。


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by robinsonfactory | 2017-02-16 19:10 | | Comments(0)
奇妙という名の五人兄妹

 書店でターコイズブルーの表紙を見たとき、『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』の著者の最新作だとわかった。

 アンドリュー・カウフマンの『奇妙という名の五人兄妹』。

 ところが、2冊を並べてみると、似ているようで似ていない。タイトルの書体が違うし、加工のしかたも異なる。前作『銀行強盗~』よりはるかに、タイトル文字を壊し、遊んでいる。同じなのは、使用している紙くらいなもの。それなのに、こうも印象が近くなるとは。もしも何も印刷しないで、同じ紙で刷り色だけを変えていったら、同一シリーズの本と認識されるのだろうか。

 

 「奇妙な」という名前は、書類のちょっとした間違いからで、元からいわくつきな一族だったわけではない。そのちょっとした感は、兄妹たちが持つ不思議な力、祖母の魔女的な雰囲気、死んだ父の影を追いかけることなどにまとわりついてきて、歯切れの悪さがある。

 次回作に期待しよう。今度はどんな色の表紙になるのだろう。

 装丁は森田恭行氏。


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by robinsonfactory | 2017-02-08 23:21 | | Comments(0)
   

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