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儀式

『儀式』(セース・ノーテボーム)

 表紙に石庭の写真。すっと背筋が伸びる気がするのは、日本人だからなのか。表紙の右上から背にかけて、縦にストライプが入っている。背の方は黒と白なので、鯨幕を思わせ、『儀式』というタイトルは「葬式」なのかと一瞬思う。

 小説の舞台はオランダ。3部構成で、最後の部で突然、楽焼がでてきて日本との関わりが生まれる。楽焼にこだわる男は、オランダとインドネシアのハーフ。インドネシアは東洋に含まれるとはいえ、茶の湯に興味を示すには、特別な理由がありそうな気がする。

 遠いヨーロッパから見た、イメージだけの日本のようだ。小説全体から、理解されるのを拒み、寄せ付けない印象を受けるのは、ぼくが日本人だからなのか。

 表紙に石庭を使う違和感は、そんな日本人の気持ちを表しているのかもしれない。

 装丁は奥定泰之氏。


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by robinsonfactory | 2017-08-16 14:42 | Comments(0)
アラバマ物語

 書店でハーパー・リーの『さあ、見張りを立てよ』を立ち読みしたら、冒頭の2ページですっかり気に入ってしまった。帯に『アラバマ物語』の20年後を描く、とある。その書店に『アラバマ物語』はなかったので、『さあ、見張りを立てよ』だけを購入し、後日『アラバマ物語』を手にした。

 なんだか不思議な本。ペーパーバックほどの大きさで、カバーはなく、表紙、背ともに古風なデザイン。奥付を見ると昭和39年が初版で、おそらくデザインが当時のままなのだ。

 表紙には少女のモノクロ写真が切り抜きで入っている。著者の子供時代かと思ったが、映画化した際に出演した俳優だった。本文の中にも、映画の写真がところどころ挿入されている。1962年の古い映画に、本全体が包まれている。

 子供たちの、たわいない遊びの日々が綴られ、のんびり読んでいくと、少しずつ、日常の中に人種差別が見えてくる。古い時代の話だからと思って読んでいたが、人の本質はあまり変わっていないのではないかと、50年後のアメリカをみて感じる。

 クレジットはないが、装丁は花森安治氏らしい。


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by robinsonfactory | 2017-08-04 19:44 | Comments(0)
   

フリーランスのデザイナー 仕事の合間
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