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すばらしい新世界
『すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー) 書店の棚から文庫本を抜き、表紙を見て驚いた。 真っ白な背景に、縦書きの文字だけが並んでいる。 「BRAVE NEW WORLD」「ALDOUS HUXLEY」「オルダル・ハクスリー」(やや大きく)「すばらしい新世界」(一番大きく)「[新訳版]」「大森望訳」「早川書房」と、頭揃えで、左右いっぱいに行間を広げて配置されている。 必要な文字が、これ以上なくシンプルに置かれているだけだが、しっかりと中央のタイトルが一番先に目に飛び込んでくる。これはすごい。デザインも、これが採用されたことも。 SF好きなら、読んでおくべき小説かもしれないが、ぼくはSFにそれほど執着がないので気に留めず生きてきた。それが何の偶然か手に取ってしまったのだから、読んだ方がいいだろう。 これはすごい。体裁はSFだが、未来的なしかけはあまり気にならない。この小説は、人が生きていくなかで、どうしようもなく感じてしまう孤独について語っている。孤独を解消するために、人類がみな均等になってしまえばいいという発想。一人の独裁者のエゴを実現するディストピアとは違い、みなが平和で楽しく生きるための方策のひとつとしての未来を描いているのだ。 デザインは水戸部功氏。 ■
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by robinsonfactory
| 2017-09-18 11:03
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『英国諜報員アシェンデン』(サマセット・モーム) 新潮文庫のスター・クラシックスの1冊。帯についているロゴが、あえて古臭く作っているのがいい。これを見ていると、ずっとずっと昔に書かれたものが、いまだに読み継がれているのは、驚くべきことなのだと気づかされる。 その中でもモームは、人の描写が素晴らしくて、残りの人生、モームだけを読んで過ごしていもいいのではないか。そう思ったりするくらい好きな作家。 そんなモームのスパイを扱った小説。 組織の一部となり、全体がわからないまま、与えられた任務だけをこなす。だから、そもそもこれはどんな活動なのか不明だし、その後どうなったのかも伝わってこない。それが想像力をかきたて、本当のスパイの話を読んでいるような気にもなる。 はじまりと終わりの欠けた不完全なストーリーのようだが、人物を語る面白さだけで、十分楽しめる。 何年か過ぎ、再読すると、前回気にもとめなかった細かい描写を見つけ、新しい小説を読んでいるような感覚になるかもしれない。まるで、コンテを重ねて徐々に細部が表れる素描を見ているように。 ■
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by robinsonfactory
| 2017-09-15 22:53
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儀式
『儀式』(セース・ノーテボーム) 表紙に石庭の写真。すっと背筋が伸びる気がするのは、日本人だからなのか。表紙の右上から背にかけて、縦にストライプが入っている。背の方は黒と白なので、鯨幕を思わせ、『儀式』というタイトルは「葬式」なのかと一瞬思う。 小説の舞台はオランダ。3部構成で、最後の部で突然、楽焼がでてきて日本との関わりが生まれる。楽焼にこだわる男は、オランダとインドネシアのハーフ。インドネシアは東洋に含まれるとはいえ、茶の湯に興味を示すには、特別な理由がありそうな気がする。 遠いヨーロッパから見た、イメージだけの日本のようだ。小説全体から、理解されるのを拒み、寄せ付けない印象を受けるのは、ぼくが日本人だからなのか。 表紙に石庭を使う違和感は、そんな日本人の気持ちを表しているのかもしれない。 装丁は奥定泰之氏。 ■
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by robinsonfactory
| 2017-08-16 14:42
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アラバマ物語
書店でハーパー・リーの『さあ、見張りを立てよ』を立ち読みしたら、冒頭の2ページですっかり気に入ってしまった。帯に『アラバマ物語』の20年後を描く、とある。その書店に『アラバマ物語』はなかったので、『さあ、見張りを立てよ』だけを購入し、後日『アラバマ物語』を手にした。 なんだか不思議な本。ペーパーバックほどの大きさで、カバーはなく、表紙、背ともに古風なデザイン。奥付を見ると昭和39年が初版で、おそらくデザインが当時のままなのだ。 表紙には少女のモノクロ写真が切り抜きで入っている。著者の子供時代かと思ったが、映画化した際に出演した俳優だった。本文の中にも、映画の写真がところどころ挿入されている。1962年の古い映画に、本全体が包まれている。 子供たちの、たわいない遊びの日々が綴られ、のんびり読んでいくと、少しずつ、日常の中に人種差別が見えてくる。古い時代の話だからと思って読んでいたが、人の本質はあまり変わっていないのではないかと、50年後のアメリカをみて感じる。 クレジットはないが、装丁は花森安治氏らしい。 ■
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by robinsonfactory
| 2017-08-04 19:44
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愚か者
『夫・車谷長吉』(高橋順子著)を買ったけれど、車谷長吉を読んだことがなかった。でも、一冊だけ本を持っている。その『愚か者 畸篇小説集』を本棚から出してみた。 黒い函に入った本。その表紙を見て、なぜこの本を買ったのか思い出した。 函の表1側に、タイトルを印刷した紙が貼ってある。そこにはキャッチコピー、さらに価格とバーコードも入っている。こんな変わった表紙をほかに知らない。下のバーコード部分の背景は白だが、上3分の2は黒。その中でタイトルは薄い黒で、全体の中でもっとも目立たない。むしろ「お前も勉強しないで、あそんでいると、くるまたにさんみたいになってしまうよ。」という白抜きのコピーの方が目に飛び込んでくる。 本を抜き出していくと、水彩の自画像が出てくる。青々した頭、真っ赤な頬、焦点の定まらない瞳。それが天地いっぱいに、本の背側ぎりぎりに入っている。全部出してみると、人物画は端に寄っていて、しかもタイトルなどの文字はなく、ほとんどは白い紙のまま。黒い函とのコントラストに、もうこの本に満足してしまう。 絵は自画像かと思っていたが、味のある題字ともに村上豊氏の作。装丁は鈴木成一デザイン室。 読んでみると、この本一冊では、とても車谷長吉を読んだとはいえないと感じる。深い穴に落ちてしまうか、ここで踏みとどまるか。 ■
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by robinsonfactory
| 2017-07-29 12:18
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